支払いサイト120日以上でもファクタリングは可能?注意点やデメリット

ファクタリングについて調べていると「ファクタリング 120日」といったワードで検索されています。基本的にファクタリングサービスでは支払い期日が長いほど、審査落ちのリスクや買取金額が小さくなることがあります。

しかし中には建設業界や運送業界・ITや広告業界のように支払いサイトが長い場合でも、ファクタリングを歓迎しているケースもあります。今回はファクタリングで120日以上の支払いサイトの売掛債権を売却する注意点について解説していきます。

目次

支払いサイト120日以上でもファクタリング利用は可能!

結論から伝えると支払いサイトが120日以上の売掛債権(請求書)でもファクタリング利用は可能です。冒頭でも触れましたが、業界特性として支払いサイトが長くなるケースもあります。

そのため業界構造について把握している業界特化型・特定業界を得意としているファクタリング会社は、120日以上の場合でも買取を行っていることが多いです。

ただし一般的な法人取引の場合は30〜60日が通常であるため、業界平均からかけ離れている場合は審査落ちになる場合もあるため注意が必要です。

支払いサイト120日以上となる代表的な業界・業種

では支払いサイトが120日以上となることが多いのはどのような業界なのでしょうか。代表的な3つの業界について解説していきます。

  • 建設業界:下請け構造で上流の会社に入金がないと支払いがされない
  • 運送業界:業界特性として支払いサイトが2〜3ヶ月(60〜90日)以上が多い
  • IT・広告業界:システム開発などの場合は支払いサイトが長くなりがち

支払いサイトが長くなると入金前に人件費や仕入れといった発注が発生するため、どうしても運転資金・キャッシュフローが不安定になりがちです。

しかし建設業界や運送・IT業界の特性について理解があるファクタリング会社も多くあるため、下記のような会社は上記のような業界でも事例が多く、積極的にファクタリング実施を行っています。

支払いサイトとファクタリング金額の関係性 – 30日・60日・120日で買取金額を比較

基本的にファクタリング審査では支払いサイトが長い場合は、未回収・貸し倒れリスクが高くなるため敬遠されがちです。しかし完全に買取拒否を行うことは珍しく、実際には手数料を高めに設定する・掛け目(買取率)を下げるといった対応が多いです。

120日を超える売掛債権のファクタリングの場合は、上記のようにファクタリング会社側もリスクヘッジをした状態で買取に応じることが多いです。ファクタリングによる資金化の金額は下記の計算式で算出されることが一般的です。

  • ファクタリングによる資金調達=(売掛金額×手数料)÷365日×支払いサイト日数

少しわかりづらいため仮に1,000万円のファクタリングを実施した場合の手数料について、30日・60日・90日・120日でシミュレーションをしてみます。1,000万円 − 手数料 = 資金調達金額です。※掛け目(買取率)は一旦無視して算出します。

手数料/支払いサイト30日60日90日120日
手数料5%41,095円82,191円123,287円164,383円
手数料10%82,191円164,383円246,575円328,767円
手数料20%164,383円328,767円493,150円657,634円

手数料が10%の2社間ファクタリングという比較的好条件の場合であっても、支払いサイトによって資金調達できる金額は大きく変わってきます。

  • 30日:資金調達金額 1,000万円 − 8.2万円 = 約992万円
  • 120日:資金調達金額 1,000万円 − 33万円 = 約967万円

上記のように支払いサイトが長いと手数料が高くなり資金調達額としては、20万円以上の差が出てきます。そのため後ほど記載しますが、業界特性として支払いサイトが長くない場合は基本的には支払いサイトが短い売掛債権を審査に出すのが定石です。

支払いサイト120日以上の売掛債権をファクタリング利用する3つの注意点・デメリット

上記で紹介したように支払いサイトが120日以上の場合でも、買取を拒否されるケースは少なく一定の条件のもとでファクタリング利用ができます。しかし120日以上など支払いサイトが長い場合は下記のようにデメリットも存在します。

  • 120日以上など支払いサイトが長い売掛債権は手数料が高くなる
  • 120日以上など支払いサイトが長いと掛け目が入り調達金額が低くなる
  • 120日以上の売掛債権は審査落ち・買取対象外のファクタリング会社もある

(1)120日以上など支払いサイトが長い売掛債権は手数料が高くなる

120日以上の支払いサイトでファクタリング利用する1つ目のデメリット・注意点は、上述で触れたように手数料が高めに設定される可能性が高いという点です。

ファクタリング審査では売掛先の信用力に加えて、売掛債権の質についてもみられます。詳細はファクタリング審査に落ちる12の原因ファクタリング審査に通らない理由とは?通過率を高めるコツの記事で解説しています。

上述で触れたようにファクタリングとしても支払いサイトが長い場合には、貸し倒れや未入金リスクを許容することになります。そのため一般的に買取手数料は高めに設定されるケースが多いです。

(2)120日以上など支払いサイトが長いと掛け目が入り調達金額が低くなる

120日以上の支払いサイトでファクタリング利用する2つ目のデメリット・注意点は、掛け目が発生するという点です。掛け目とは売掛債権全額に対していくらの割合で買取を行うかというものです。掛け目はファクタリング会社によって異なりますが、80〜90%が多いです。

例えば100万円の売掛債権をファクタリング利用する時に、A社の掛け目が80%なら買取対象金額は80万円となります。B社での掛け目が90%なら90万円が買取対象金額となります。

注意点としては掛け目は手数料を差し引いた金額に対して、料率を掛けるという点です。そのため掛け目が入ると下記のような計算式になります。1,000万円で手数料が10%・掛け目が90%で試算します。

  • 資金調達額=(1,000万円 − 100万円)× 90% = 810万円

掛け目は売掛債権の信用力によって変動し、信用力が高ければ掛け目が小さく、大きな資金調達ができます。掛け目も手数料と同様にファクタリング会社ごとに審査基準は異なります。

ただし審査時に掛け目が出ていたとしても売掛債権を実際に回収できた場合は、掛け目で減額された部分はファクタリング会社から返還されます。

(3)120日以上の売掛債権は審査落ち・買取対象外のファクタリング会社もある

120日以上の支払いサイトでファクタリング利用する3つ目のデメリット・注意点は、そもそも買取対象外の場合があるという点です。明確に支払い期日が何日以上の場合は買取に応じないといった会社は少ないですが、下記のように明記している場合もあります。

サービス名支払い期日の制限
アクセルファクター180日以内
labol(ラボル)150日以内
ペイトナーファクタリング70日以内

上記のファクタリング会社のように支払い期日を明記している場合は、支払いサイトが長い売掛債権を審査に出しても審査落ちとなるでしょう。ただし支払いサイトが120日以上であっても支払い期日が上記の条件を満たす場合は、買取対象となります。

そのため支払いサイトが長いものをどうしてもファクタリングしたい場合は、支払い期日が対象となる期日まで待つのがおすすめです。

ファクタリングに向いている・不向きな売掛債権の特徴

解説してきたように支払いサイトが120日以上の売掛債権をファクタリングする場合は、手数料や掛け目が入ることが多く資金調達金額が小さくなりがちです。そのためファクタリングに向いている売掛債権の特徴について把握しておきましょう。

支払いサイトが120日以上など長い売掛債権はファクタリングには基本的に不向き

紹介してきたように支払いサイトが120日以上などの長い売掛債権はファクタリングには、基本的には向いていません。支払いサイトが長いほどファクタリング会社としては、貸し倒れ・未回収リスクが高くなるため買取リスクを負った条件提示を行います。

どうしても支払いサイトが長い売掛債権しかない場合は、支払い期日が短いものを優先的にファクタリング利用するのがおすすめです。支払い期日が迫ってきている場合であれば、買取に応じてくれる会社も増えます。

ただし建設業界などのように多重下請け構造になっている場合は、ファクタリング会社も業界特性を理解しているため歓迎しています。詳細な理由については建設業向けファクタリング会社10選|おすすめな理由や特化型サービスの記事で解説しています。

回収リスクが低い売掛債権は支払いサイトが長くても後回しにすべき

そもそも売掛先が上場企業や公共団体など未回収リスクが低い場合には、わざわざ手数料を支払ってまでファクタリング利用する必要があるかは検討すべきです。

ファクタリング最大のメリットは、売掛金の未回収リスクをファクタリング会社が背負ってくれるという点です。仮に売掛先が倒産してもファクタリング会社に売掛債権を売却していれば、自社が支払いをする必要はありません。これはノンリコース契約と呼びます。

つまり未回収リスクがそもそも低い売掛債権を手数料を支払ってまで、ファクタリング利用するメリットはやや薄いということです。ただしどうしても手元資金が必要という場合は、支払いサイトが長くてもファクタリング利用の必要性もあるでしょう。

ただし手元の資金繰りがファクタリングを利用せずとも乗り切れるという状況であれば、未回収リスクの低い売掛債権はファクタリングに出さない・手数料の低い3社間ファクタリングを利用するといった選択肢も考えましょう。

支払いサイトが短い売掛債権をファクタリングするのが定石

支払いサイトが異なる売掛債権を複数保有している場合は、先に支払いサイトが短いものからファクタリング利用するのがおすすめです。

この理由は上述で解説してきたように支払いサイトが120日以上など長くなるほど、掛け目や手数料が高くなるため資金調達金額が小さくなるためです。

60日と120日の売掛債権が手元にある場合は同じ100万円でも、60日の売掛債権の方が手数料は安くなります。複数の売掛債権がある場合は、支払いサイトが短い売掛債権を先にファクタリング利用して、極力手数料が低くなるようにしましょう。

120日以上でもファクタリング利用可能なおすすめ会社5選!

サービス名手数料入金スピード買取上限必要書類
ビートレーディング2%〜2時間制限なし通帳コピー(表紙付2か月分)
契約書/発注書/請求書など
トップ・マネジメント3.5~12.5%最短3時間30万〜3億円身分証明書/会社登録簿謄本
印鑑証明書/売掛先との成因資料
ペイブリッジ0.5%〜最短2時間30万〜3億円申込書/請求書/通帳コピー
アクセルファクター2%~当日30万〜1億円請求書又は見積書/預金通帳
決算報告書/代表者の身分証明書
代表者及び会社の実印
日本中小企業金融サポート機構1.5〜10%最短3時間上限下限なし3ヶ月分の通帳のコピー
売掛先の発生がわかる請求書/契約書
利用者の身分証明書

ビートレーディング 個人OK/通過率は98%/最短2時間/オンライン完結ファクタリング

ビートレーディングは設立10年以上の歴史を持ち東京・仙台・大阪・福岡に4つの拠点を持っている老舗オンライン完結ファクタリングです。必要書類も請求書・通帳コピーの2つのみで、審査時間は30分・最短2時間入金と早いのが特徴です。

手数料も2%から利用ができ法人だけでなく個人事業主の方でも利用ができます。必要書類も少なく審査通過率は98%と高い数値で、店舗に来店することやオンラインでの契約ができます。

取引形態手数料最短入金買取可能額必要書類
2者間ファクタリング
3者間ファクタリング
2%〜2時間制限なし通帳コピー/請求書
※2つのみ

日本中小企業金融サポート機構 審査通過率95%/即日入金/手数料1.5〜/非対面/個人OK

日本中小企業金融サポート機構手数料が1.5%という圧倒的に低いく、審査通過率も95%以上が特徴のオンライン完結ファクタリングサービスです。一般的なファクタリング会社は株式会社である営利企業が運営していますが、非営利団体の一般社団法人が運営しているため、業界最安水準の手数料です。

必要書類も通帳コピー・請求の2つのみで最短30分で審査結果が提示され、振込も最短即日入金・印紙代や郵送代も無料で済み、個人事業主の中小零細企業にもおすすめです。

加えてオンライン契約ができるため必要書類が少なく、書類を郵送する手間もないので、時間をかけずに売掛債権の売却が可能です。建築資材や外注費など先行投資が必要な場合や、取引機会を逃したくない場合におすすめのファクタリングサービスです。

取引形態手数料最短入金買取可能額必要書類
2者間ファクタリング
3者間ファクタリング
1.5〜10%最短3時間
審査時間30分
上限下限なし通帳コピー
請求書 ※2つのみ

トップ・マネジメント 支払いサイトが長い請求書も対応可能・4.5万件以上の買取実績

トップ・マネジメントは支払いサイトが長い長期の売掛債権の買取にも対応しており、45,000件以上の取引実績があり、累計買取高は100億円以上を誇るオンライン完結ファクタリング会社です。

一般的に支払いサイトが長い売掛金は未回収リスクが高くなるため、ファクタリング会社では審査落ちになるケースが多いですが、これに対応しているため支払い期日が長い売掛債権の利用にはおすすめです。

加えて手数料の上限も12.5%と比較的低水準のため、手数料が高くなりがちな建設業にはおすすめです。

また法人だけでなく個人事業主のファクタリングも可能なため、事業資金の課題がある方はまずは無料相談をしてみましょう。

取引形態手数料最短入金買取可能額必要書類
2者間ファクタリング
3者間ファクタリング
3.5%〜即日30万円~3億円身分証明書/会社登録簿謄本
印鑑証明書/売掛先との成因資料など

ペイブリッジ 広告&IT業界特化/最短3分で審査完了/2時間で即日入金/審査通過率95%

PAY BRIDGE(ペイブリッジ)は広告・IT業界に特化したファクタリングサービスで、手数料は0.5%〜・最短3分で審査結果通知・2時間で即日入金となります。業界特化型のため専門スタッフが審査を行うので、非常にスピーディーなのが特徴です。

システム開発などの場合は納品後に入金といった場合も多いため、キャッシュフローが不安定になりがちです。しかしペイブリッジを活用すれば、資金不足を解消ができます。

また請求書買取だけでなく見積書・発注書の買取にも対応しているため、早期に現金化をしたい方におすすめです。加えてオンラインファクタリングのため来店する必要もなく、必要書類も少なく申込書・請求書・通帳コピーの3つで利用できます。

また審査通過率は95%と非常に高いのが特徴のため、他社で審査落ちになったという方にもおすすめです。審査も最短3分で完了するため、まずはフォームから審査申し込みを行ってみましょう。

取引形態手数料最短入金買取可能額必要書類
2社間ファクタリング
3社間ファクタリング
0.5%〜最短2時間30万円~3億円申込書/請求書
通帳コピー

アクセルファクター 審査通過率93%/5割が即日入金/手数料2%〜/継続利用で手数料減額

アクセルファクターは大手企業のグループ会社が運営しており、手数料も2%から利用ができるオンライン完結ファクタリング会社です。審査通過率は93%と高い数値を誇っており、赤字・滞納企業の売掛債権にも対応しており柔軟性が高いのが特徴です。

支払いサイトも最大180日までファクタリング対応しているため、120日以上の売掛債権でも資金調達が可能です。

他社で審査に落ちた場合でも大手企業のグループ会社が運営していることもあり、リスクの高い債権でも買い取り対応を行なっています。申込者の50%以上が即日入金を実現しており、個人事業主の方でも利用が可能です。

また継続利用で手数料も減額されるため他社利用中でファクタリング会社の乗り換えにはおすすめです。

年間相談件数も1.5万件・専属担当の手厚いサポートがついているため、はじめてファクタリングを実施する方でも安心して利用ができます。

取引形態手数料最短入金買取可能額必要書類
2者間ファクタリング2%〜即日30万円~1億円請求書又は見積書/預金通帳
決算報告書/代表者の身分証明書
代表者及び会社の実印

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